何故人は誰もいない場所で霊を見るのか?ストーン・テープ・セオリーと「地縛霊」の関連性 (9/10ページ)

カラパイア

磁気テープに刻印できるものは、客観性のあるデータだが、地縛霊のデータは主観的なものだ。感情に頼るものだが、感情というものは、実際にとらえ測定することのできる形のものは生み出さない。

 絵や文字や記号や数字を刻むことのできる石を記憶媒体として使うといっても、ストーン・テープ・セオリーのような再生法では使えない。

 自然界は、そのような方法では機能しない。セオドア・シックとルイス・ヴォーンは、著書『How To Think About Weird Things: Critical Thinking For The New Age』の中で、「石の塊は磁気テープと同じ特性はもたない」と言っている。さらに言えば、感情は音とも、電子音信号とも、磁気エネルギーとも同じ特性はもたない。

 シャロン・ヒルは、ストーン・テープ・セオリーは実際には仮説ではない、少なくとも科学ではなく、せいぜい偽科学どまりだろうと言う。

 メルボルン大学の生物学教授のジェイム・ターナーは、2017年に「科学者がセオリーという言葉を使うのは、世間一般につかわれるセオリーとは少し意味合いが違う。ほとんどの人はセオリーという言葉を誰かがもっている考えといった意味で使うが、科学界では事実を解釈する方法としてセオリーという言葉を使う。セオリーが存在するためには事実が必要だが、ストーン・テープ・セオリーに関する実際の事実はない。例えば、次のような質問の答えはわからないとヒルは言う。

「どうやって物事が記録されるのか?」

「なにが記録されて、なにがされないのか?」

「どうやって保存されるのか?」

「どうやって、再生できるのか?」

 ストーン・テープ・セオリーに関する事実はなにもないため、わたしたちはそれを理解しひとつの枠組みの中に取り込むことができない。

 つまり、科学的セオリーの形として確立させるために実際に必要な処置を行うことができないのだ。

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