平安アーティストの頂上決戦!日本史上最古の画家・百済河成vs飛騨工のエピソードを紹介 (2/5ページ)

Japaaan

その片隅に、小さな堂が建っています。

「やぁ、これはたいそう見事だな」

堂は東西南北に扉がついており、すべて開け放たれています。

さっそく河成が南の扉から入ろうとすると、どういうわけが扉がひとりでに閉じてしまいました。

開けようとしても開かないので、仕方なく西側へ回り込みます。

すると不思議なことに、今度は西側の扉がひとりでに閉じてしまい、南側の扉が開いたではありませんか。

西側の扉が開かないので、今度は北側の扉に回り込んだ河成。しかし又しても北側の扉が閉じて、西側の扉が開いたのでした。

河成はだんだんイライラしてきます。急いで東側の扉へ回り込むと、もう予想どおり東側の扉が閉じて、北側の扉が開きました。

「もう、訳が分からん!」

堂に入ることをすっかり諦めた河成。縁側より庭に下りると、飛騨工が大笑いで言います。

「やぁ、引っかかったね。君に見てほしかったのはこの堂さ。どうだい、見事なカラクリだったろう?」

扉がひとりでに開いたり閉じたりする仕掛けをしておいた飛騨工。もくろみが成功して大満足でした。

ちなみに南側の扉が閉じた時、時計回り(西側)でなく反対回り(東側)も試したのでしょうか。

ともあれ一杯食わされた河成は、プリプリして帰ったのでした。

第2ラウンド・河成の意趣返し

そんな事があって、しばらく経ったある日のこと。飛騨工のもとへ、河成からお誘いがありました。

「見せたいものがあるから、ぜひ遊びに来てほしい」

いやいや、先日あんなことをしたものだから、意趣返しに決まっているじゃないか……その手には乗らんと誘いを断り続けました。

しかし河成が何度も誘ってくるので、断りきれずに訪問します。

(さぁ、一体何をしかけてくるのか……)

「よく来てくれたね。最近、新作の絵が仕上がったんだ。その戸を開けて見ておくれ」

この戸を開けたら何が飛び出すのか……飛騨工はなかなか戸を開けることができません。

そんな様子を見て、河成は言います。

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