5月22日の米韓首脳会談で基本戦略の摺り合わせの後、すぐに米朝首脳会談が行われる。
北朝鮮の非核化交渉が、いよいよ大詰めを迎えるのだ。これまでの準備作業で、米国、韓国、そして中国は一定のプレゼンスを示してきたが、圧力一辺倒の日本は、ずっとかやの外だった。ところが、金正恩委員長は、先の南北首脳会談の中で、米朝首脳会談が終わったら日朝首脳会談に応じる意向を示したとされている。北朝鮮の目的はたった一つしか考えられない。日本から経済協力という名のカネを引き出すことだ。それも、目がくらむほどの金額を要求してくる可能性が高いと、私は思う。
北朝鮮は、核兵器を放棄することと引き換えに、核開発に費やしたコストの補償を求めてくるだろう。その際、北朝鮮が日本への要求額の基準としてくる可能性が高いのが、日本が韓国に支払った「戦後賠償」だ。1965年の日韓基本条約で、韓国が日本への賠償要求を放棄する代わりに、日本は3億ドルの無償資金協力を行った。同時に、返済が必要な有償資金協力が2億ドル、民間借款で3億ドルの合計8億ドルを支払っている。これを現在の為替および物価に換算すると、無償資金協力だけで1兆円、民間資金まで含めると2兆7000億円を支払ったのだ。北朝鮮は、非核化に際しても同様の金額を要求してくるだろう。
それでも、北朝鮮が本当に核を完全放棄するのであれば、日本が負担する意味はある。しかし、北朝鮮は、これまでも国際合意を裏切り続けてきた。もし、日本が巨額の援助をしたあと、北朝鮮が核開発を再開させれば、資金をドブに捨てることになってしまう。
私は、北朝鮮に核開発を再開させない一番よい方法は、米国が金王朝の体制を保証するという名目で、米朝安全保障条約を結び、北朝鮮国内に米軍の海兵隊基地を置くことだと思う。もし海兵隊基地を置かれたら、北朝鮮は絶対に核開発をすることができない。それは、日本が証明している。
日本はいま、原発から生まれるプルトニウムの処理方法が見つからず、どんどんたまり続けている。簡単に原爆が作れる状況にあるのに、日本の核開発を心配する声は、ほとんどない。日本がIAEAの査察を受けているからではない。日本に米軍の海兵隊基地が存在し、万が一日本が核開発に手を染めれば、あっという間に占領するからだ。
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 日本は非核化の財布になる
2018.05.18 14:00
|
週刊実話
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
医療現場の「見えない負担」を減らすには──人手不足の地域医療でAIが果たす役割
TREND NEWS CASTER
2
若者の「梅離れ」に挑む異業種出身社長の逆転発想――規格外梅は資源になるか?産地が直面する「価値再編」
TREND NEWS CASTER
3
工場の外へ広がる「自動化フロンティア」――滋賀の中堅FA企業が挑む”another FA”は普及するか
TREND NEWS CASTER
4
なぜ鼠径ヘルニア手術は「入院」が主流なのか――日帰り年500件超のクリニックの試み
TREND NEWS CASTER
5
地方医療は「治す」だけで維持できるのか、「点」から「面」への分かれ道
TREND NEWS CASTER
6
鎌倉大仏の背中に空いてる〝穴〟の正体 「背部スラスター」との珍説に3.5万人破顔も...真相は?高徳院に聞く
Jタウンネット
7
〝ちいさな夏〟が閉じ込められた風鈴が、ずらり 京都・正寿院の「風鈴まつり」の清涼感がたまらない【6/1~9/30】
Jタウンネット
8
老舗そば店は地域に何を”残す”のか――茨城・常総、66年続く食堂が抱える宿題
TREND NEWS CASTER
9
ハードからソフトへ移行する運送業界 老舗70年企業が進める事業再定義と同族外からの代表交代
TREND NEWS CASTER
10
大好物を見たワンコさん、キラキラお目めで〝喜びの舞〟 可愛すぎる反応に5.4万人もん絶
Jタウンネット