中国湖北省武漢市発の新型コロナウイルスによる肺炎が拡大の一途である。1月26日時点で患者数は2500人を超え、日本やタイ、韓国、台湾、米国などでも感染者が確認された。
厚生労働省は当初、「現時点では本感染症は、家族間などの限定的なヒトからヒトへの感染の可能性が否定できない事例が報告されているものの、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はない。武漢市から帰国・入国される方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、事前に医療機関へ連絡したうえで、受診」するよう呼び掛けているが、認識が甘いといわざるを得ない。
インフルエンザの達人と言われる元小樽市保健所所長で、医学博士・作家の外岡立人氏が言う。
「中国内の医療担当者14人がウイルス感染し、武漢から離れた北京、上海、広東でも患者が多数確認されている。中国政府は基本的に武漢市を閉鎖、不要不急の市外への外出を禁止している。新型コロナウイルス感染予防法としては安心できる方法はない。手洗い、マスクの着用、うがいは意味がない。感染者との接触を避けるといっても、誰が感染者か分からない有様ですから」
何やら、八方塞がりの状況なのだ。厚労省ののんびりとした様子とは打って変わって、新型コロナウイルスの医療現場最前線では、
〈私は毎日、大量の発症者と思しき患者を診察している。だが、患者の数が多すぎて、とても収容しきれない。何せ、隔離病棟は2棟しかないのだ。加えて、医療スタッフの一部も感染し、戦線離脱となってしまったが、その代役もいない〉
これは武漢市で新型コロナウイルスと闘う医師がインターネット上に載せたコメントである。
「WHO(世界保健機構)はいずれ、新型コロナウイルスがパンデミックになると予測していると思います。豚インフルがパンデミック(2009年)になった際、WHOは対応が遅れがちでしたが、今回は迅速です。とはいえ、ワクチンをつくるのには半年はかかるでしょうから、この夏の東京オリンピックは最悪、中止の決断をしなくてはならなくなるかもしれない」(外岡氏)
それにしても、どうしてこのような騒ぎになってしまったのか。21世紀に入り中国の衛生環境は格段に改善したとされる。
新型肺炎パンデミック 東京五輪を襲う「開催中止」危機
2020.01.30 13:30
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