Bokasana/iStock
オスとは悲しいまでにメスを求める生き物だ。それは生き残りをかけての究極の本能でもある。だが、あるバイオテクノロジー企業が開発した蛾のオスは違う。メスを殺すべく、遺伝子を改変されているのだ。
イギリス企業「オキシテック(Oxitec)」は、以前デング熱などさまざまな病気を媒介する蚊のオスにキラー遺伝子を組み込んだ企業で、今回はその技術を作物を食い荒らす蛾に応用した。
このキラー遺伝子は、交尾した後、卵が孵化した後でスイッチが入り、幼虫がメスならば死に絶えてしまう。
・毎年作物に多大な損害を与えるコナガの幼虫
対象となったコナガ(Plutella xylostella)の幼虫は、キャベツ、ケール、ブロッコリ、菜種といったアブラナ属の植物を食べ、毎年5000億円以上もの被害を与える、世界でも主要な害虫である。
しかも、厄介なことに殺虫剤への耐性を急速に身につけており、これまでとは違う抑制法が必要となっている。
Ian_Redding
・メスの幼虫だけを殺すキラー遺伝子
そこでオキシテック社は、そのオスに2種類の遺伝子を組み込んだ。ひとつは自然の中でもかんたんに見分けがつくように赤い蛍光タンパク質を作り出すもの。
そして、もうひとつが、卵がメスだった場合、孵化した後でスイッチが入り、幼虫を殺してしまう遺伝子だ。