周囲の反対をよそに7月の4連休に合わせて「Go Toキャンペーン」を強行、すったもんだありつつも効果は非常に限定的と、もはやコロナ対策で政府は迷走しきりの感が否めないが、かと思えば今度は「ワーケーション」なる新語が持ち出された。
7月27日に官邸で「観光戦略推進会議」が行われた後の会見で、議長の菅義偉・官房長官は、「(ワーケーション普及のため)ホテルや旅館でのWi−Fiの整備支援」を行うなどと言い出したのだから、観光業界から「何をいまさら」との声が上がっているのだ。
そもそもワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を合わせた造語で、リゾート地などで休暇を兼ねてリモートワークを行う働き方を指し、2000年代にアメリカで生まれたとされる。
「アマゾンやグーグルが大きな成長を遂げたこの時代、西海岸でのリゾート地で開かれるカンファレンスの場がスタートアップに大きな刺激となったことから広がったようです。ただ、欧米人は日本人と違って長期のバカンスを取りますからね。だから旅先でも働く必要性が生じるように、そもそも働き方の事情が違います。また、アメリカでは有給休暇制度が必須ではないので、その妥協案としてワーケーションが採用されている現実も忘れてはなりません」(IT企業に詳しいジャーナリスト)
そもそも「バケーション」という言葉自体、短い休日しか取れない多くの日本人にはどうもピンと来ないのではないか。ワーケーションが採用される社会的背景が異なることはさておいて、コロナ禍での新しい生活様式と観光業をテコに経済を回すという折衷案程度の適当さでワーケーションに白羽の矢がたったということなのだろうが、
「2015年ごろからアジアを中心に訪日外国人が急増、当時は外国人観光客が困ったことのダントツの1位が『無料公衆無線LAN環境』でしたが、早くも16年にはLAN環境が改善されているとの回答が60%以上を占め、日本がWi−Fi後進国だったのはもはや過去の話です。