よく「仕事の仕上がりには人柄が出る」と言われますが、皆さんはどうでしょうか?
とりあえず納期を優先して、何か不具合があれば後から修正すればいいや……というタイプがいる一方、納期は少しでも延ばして、ギリギリまで納得できるクオリティを目指すタイプもいると思います。
納期とクオリティの折り合いについては皆さん悩むところで、自分ひとりであればともかく、仲間との共同作業では互いに譲れず、喧嘩別れしてしまうこともあるでしょう。
そんなトラブルは今も昔も変わらなかったようで、今回は江戸時代の蘭学医・前野良沢(まえの りょうたく)のエピソードを紹介したいと思います。
西洋の医術書『ターヘル・アナトミア』の翻訳に挑む前野良沢は江戸時代中期の享保8年(1723年)、福岡藩士・源新介(みなもとの しんすけ)の子として誕生します(※良沢は通称ですが、便宜上「良沢」で統一)。
幼くして両親を亡くしてしまったため、母方の大叔父である淀藩医の宮田全沢(みやた ぜんたく)に養われました。
この全沢は医学書『医学知津』を著わすなど非常に優秀だったそうですが、たいそう変わり者で、彼との関係が良沢の性格に大きく影響したと見られています。
「流行りものに飛びつくのは、他人に任せておけばよろしい。