シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Aさん(海外在住・40代女性)
その日Aさんは、駅で電車が来るのを待っていた。
ベビーカーに熱を出した長男を乗せ、背中にはまだ赤ちゃんの次男。夫の転勤に伴って引っ越した街には知り合いもおらず、彼女は疲れきっていたのだという。
<Aさんの体験談>
私には2人の子供がいます。年子で、二人とも男の子です。
その子たちがまだ小さかった15年くらい前、夫の転勤に伴い、私たちは地元から遠く離れた知り合いもいない土地で暮らしていました。
ある日、1歳の長男が風邪をひいて熱を出したので、彼はベビーカーに乗せ、まだ赤ちゃんの次男はおんぶして病院へ。
診察を終え、帰りの電車を待っている間は看病の疲れからぼーっとしてしまっていました。そんな私に、知らないおばさまが話しかけてきたんです。
「普段娘にできない事を、代わりにあなたに」「私の娘も結婚して、遠くに住んでいるの。あなたと同じように一人で子育てを頑張っているのよ。あなたを見ていると娘を見ているようだわ。ちょっと待ってて」
彼女はそう言うと駅のパン屋さんまで走って行き、サンドイッチやパンをいくつも買って戻って来ました。そして、その袋を私に差し出しました。
「これをお昼ごはんに食べて。普段娘にできない事を、代わりにあなたにさせてね。