鎌倉武士と聞くと、何かと「お堅い」印象を受ける方も多いかと思います。
いつも武道に鍛錬し、高潔な精神で己を律する……もちろんそういう武士もいたでしょう。しかし彼らも私たちと同じ人間。いつもカッコよく戦うばかりではありませんでした(むしろそういう武士はごく少数派だった模様)。
どっちかと言えば無法者じみた連中の方が多かった(ほとんどだった)ようで、その行状を見るにヤクザなんじゃないかと思えるような事例もしばしば。
とは言えただ怖いばかりではなく、時には愉快に楽しんだエピソードも『吾妻鏡』など史料に伝わっています。
そこで今回は愉快で恐ろしい鎌倉武士の一人・三浦家村(みうら いえむら)を紹介。非常にキャラが立っているので、その魅力を少しでも伝えられたら幸いです。
特技は弓射と隠し芸?藤原頼経・頼嗣の2代に仕える三浦家村は生年不詳、三浦義村(よしむら)の四男(諸説あり)として誕生しました。
通称は駿河四郎(するがのしろう)。これは駿河守であった父・義村の四男であったことを示します。
『吾妻鏡』での初登場は貞応元年(1222年)7月3日。