生前の矢島祥子さんは、時間外勤務を必要以上にしていた。それは診療所の所長から注意されるほどだった。では、矢島さんは時間外に何をしていたのか。そこで考えられるのが「医療カルテ」の閲覧だ。当時、医療カルテを見る事が出来たのは診療所の所長、事務長、そして矢島祥子さんの3名だけだった。この医療カルテには様々な情報が記載されていたという。
この団体には大阪市もかなりの補助金を出しており、この地域の活性化、街づくりには絶対にかかせない団体の一つになっている。矢島祥子さんはこの団体にとってはかかせない人間の1人であった。
女性であり、夜回り活動などホームレスの支援を積極的に行ったり、給料、ボーナスの大半を寝袋購入に当てるなどの活動を行い、生前の彼女を慕っていた人間は多い。
また、この団体の協力がなければ、あいりん地区が治安悪化する事も十分にあり得るのだ。矢島祥子さんの事件を、この団体は最近では一切触れていない。矢島祥子さんが勤務していた診療所の所長が嘱託医を辞めている。診療所の所長と学生時代から交際のある人間が、この事件について筆者に語ってくれた。
「事件当初は、本人もかなり真剣に色々探っていた。しかしある日を境にこの件を語らなくなった。それと同時にある団体の嘱託医を下りた。今ではこの事件の事はお互いに触れないようにしている」
矢島さんは、淀川区の病院に勤務している最中にこの地域でホームレスの支援活動を行っていた。そしてその活動の最中に最終勤務地である診療所の所長と知り合い、勤務地を変えている。実際、この所長は堺市でNPO事業を展開し、ホームレスの支援の為にマンションを建設。その活動は当時の大阪日日新聞などに報道されている。しかし、その後、NPOのホームページは削除されたままだ。
大阪市の特区構想で、西成区には巨額の資金が流れている。たとえば西成区生活保護費だけでも年間600億円以上と言われている。それがいわゆる「新しい利権」だ。その巨額の資金を管理する一つの組織がある。それが29名からなる西成区区政会議だ。ここにはいろいろな団体が名を連ね、これら団体の利益を阻害する者がいれば追放されてしまう構図が出来上がっている。