私、はるしにゃんによる幾原邦彦を論じる原稿の連載第2回目では、『少女革命ウテナ』を取り上げる。
幾原邦彦が原案・監督をつとめた最初の作品でもある『ウテナ』は、1997年に放送され、いまなおカルト的な人気を誇り、アニメ史的にも重要な位置付けとされている。
ここでは、友情と恋愛をモチーフに「永遠の不可能性」を扱った『ウテナ』において、どのように革命が成就されたのか、その物語構造から2回にわけてひも解いていく。
連載記事
Vol.1 少女的理想と現実の狭間にゃん
永遠を欲望することで駆動する物語
『ウテナ』は、王子様に(なりたいと)憧れる女性の主人公が、ヒロインを賭けて、ある閉鎖的な学園で繰り広げられる決闘ゲームに身を投じる様を描いている。
ひと言で言えば、主人公・天上ウテナとヒロイン・姫宮アンシーの「友情」を巡る関係性、桐生冬芽や西園寺莢一といった「決闘者=デュエリスト」たちとウテナの戦い、そして鳳暁生という「男性」=「零落した王子様」を巡る物語である。
デュエルを行う生徒会メンバーは語る。
卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく。我らが雛で、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ、世界を革命するために!
1話「薔薇の花嫁」桐生冬芽のセリフより
これは、しばしば指摘されるように、独作家ヘルマン・ヘッセの『デミアン』からの援用である。
鳥は卵の中から抜け出ようともがく。卵は世界である。生まれ出んと欲するものは、一つの世界を破壊せねばならない。
ヘルマン・ヘッセ『デミアン』
精神医学的にはヘッセは、ユング派の分析心理学に大きな影響を受けている。
はるしにゃんの幾原邦彦論 Vol.2 ウテナと革命の精神分析にゃん
2015.03.14 17:42
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