今年の一月、お世話になった長野・佐久地方の知人のご葬儀に参加した。その際、香典返しでいただいたのが「御黒飯」なるものだった。お赤飯ではなく、御黒飯。蓋を開けてみると、黒豆が入ったほんのり甘いおこわが入っていた。
■お赤飯は慶事 御黒飯は弔事
埼玉県出身者の筆者は知らなかったが、佐久地方のお葬式ではこの御黒飯はよく出されるものらしい。
さらに長野だけではなく、他の地域でも広く食べられているものだという事が分かった。一体、この「御黒飯」は全国的にどのような分布をしているのだろうか。お赤飯・御黒飯の用途の違いと併せて調べてみた。
主に御黒飯を食べるのは長野県や北海道、東北地方や北陸の石川や富山、関西の一部、また千葉県などにも同様のものがあり意外にも全国各地にその文化がある。
御黒飯を食べる地域では、お赤飯は慶事、御黒飯は弔事のものとされる。
しかし、福井県や静岡県などには葬儀や法事の際にお赤飯を食べる地域が存在する。これは「赤飯供養」とも呼ばれ、御祝いの為ではなく、死者の供養のためにお赤飯を食べる風習である。これには小豆の赤い色が邪気を払うとされたとする説や、そもそも本来のお赤飯は良くない事が起こった時に食べるものだったとする説などがある。お葬式にお赤飯が出てきたらびっくりしてしまう人もいるだろう。しかし、お赤飯はめでたい席でしか食べてはいけないものとは限らないのだ。
■御黒飯のルーツとは?
御黒飯には地域によって呼び方や作り方に違いがあり、白蒸し・しろぶかし(兵庫・関西圏)、みたま(石川・富山)などとも呼ばれている。(ただし、白蒸し・しろぶかしには同名で黒豆が入っていないものもある)
北海道では御黒飯が広く食べられているため、発祥は北海道なのではないか、といわれる場合もある。だが、他の地域でも同様の物が存在するため、恐らくは蝦夷地の開拓時代に入植者が持ち込んだ文化と思われる。
またお隣の中国には、めでたい婚礼を「紅事」、死者を悼む葬儀を「白事」とする文化がある。日本もかつては白を葬式の色としており、現在のように喪服に黒を着るようになったのはキリスト教の影響を受けたものである。
北海道や東北の人なら知ってる御黒飯ーーいつ食べるの?お赤飯と何が違うの?
2015.07.02 19:00
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