コンサルタントの思考法、自分のモノにするには? (3/3ページ)
――教科書のように情報がすっきりと整理された一冊です。書く上で気を付けたことはなんですか?
寺嶋:事業デューデリジェンスについて書かれた本がまだ少ないのですが、今出ている本は、知識だけに終始していることが多いんです。だから一人で、現場でできるようになることを踏まえて書いています。あとは、分かりやすさを重視しました。
――実務で使える部分を意識された、と。ただ、実務で知識を使うのはとても難易度が高いと思うんですね。
寺嶋:だから大切なのは実践を見据えて知識を得ることです。私自身、仕事の幅を広げて、深みを増したいと思って勉強をはじめたのですが、実務に還元することが前提にあったため、効率よくできました。
――イメージしながら勉強すると身に付きやすいですよね。コンサルタントの思考術が書かれた本はたくさんありますが、ただ読んだだけでは応用できないものが多いと思います。寺嶋さんはどのようにその思考法を身につけていったのですか?
寺嶋:最も重要な思考法は「問題解決の手順」です。まずは現状を把握し、その中から問題点を見出して、原因を究明する。そして望ましい姿・ゴールを描いて、そのゴールまでの道筋を立てるのです。コンサルティングは多くの場合、この思考のプロセスに沿って導き出した解決策をクライアントに提示します。私は営業時代、売るだけでなくトラブル処理も多く、このトラブルを処理する時に、問題解決の思考法を身につけました。繰り返し、この手順で思考することが、問題解決力を高めるポイントです。
――経営者の方とお仕事をされるなかで、どのように関係の距離を保つのでしょうか。
寺嶋:コンサルタント側が、経営者の問題を解決できるスキルを持っていることが絶対条件です。まずは合理的な関係がないと成立しません。その上で、人間関係を築くのですが、近づけば近づくほどいいというのが私の認識です。
――最後に、読者の皆様にメッセージをお願いします。
寺嶋:コンサルタントはどうしても単価を上げる、お客を取るというところが先行しがちになるけれど、コンサルタントとしての強みを身につけないと、良い仕事はできません。だから、まずは「これだけのスキルがあれば間違いなくクライアントの問題を解決できる」と自信を持って主張できる強みを作りましょう。そして、1つのベースとなる専門分野を確立したら、少しずつ領域を広げていくと、業務の幅が広がっていきます。1つ1つの領域で深いノウハウを身につけて、その領域が拡大していくと、色々なことが1人でできるようになって、仕事が楽しくて仕方がなくなります。
(了)