弁護士に聞いた! TPP交渉で「コミケ」の存立が危ない!? (2/7ページ)
篠田弁護士 コミケは、元の作品の著作権者にとっても、
(1)自身のファンによる活動の一環といえること
(2)自身の作品の宣伝効果もあること
(3)作者自身もコミケに参加した経験があること
(4)侵害を訴えてもこれに見合う損害額が期待できないこと
等の理由から、黙認するのはむしろ当たり前という認識なのかもしれません。
著作権者が同意を与えている以上は、著作権法違反とはなりませんし、著作権法違反が犯罪になるためには、著作権者の告訴が必要とされていることから、日本ではコミケは「事実上問題視されていない」というふうにもいえるかもしれません。
ただ、TPP交渉により、「著作権法違反は告訴がなくても犯罪として扱える(非親告罪化)」など、「著作権法違反」に対する扱いが厳しくなると、話は違ってきます。コミケはもはや著作権法上の問題が多くあるということで、開催が難しくなる、その存続さえ危うくなる、といったことが危惧されているのです。
■現在のコミケを法的に考察すると……。著作権の基礎知識
――そもそも現在のコミケは、法的にどういう扱いなのでしょうか?
篠田弁護士 現在のコミケが法的にどういう問題をはらんでいるか検討しましょう。やはり大きく問題となるのは「著作権法違反」です。
そもそも「著作権」がどのように発生するかご存じでしょうか。まず、
●「著作物」とは、文芸、学術、美術、音楽などのジャンルにおいて、人間の思想、感情を創作的に表現したもの
とされています。
そして著作権は、特許権などのように登録が必要ではなく、物を作った段階で自然に発生する権利です。要は、「創作性のある芸術的な作品」を作成すれば、それは著作物となり、それを創作した人が自然と著作権者となるのです。ゆえに、コミケにおいても元作品を作成した作者は、元作品の著作権を有することになります。
――なるほど。