弁護士に聞いた! TPP交渉で「コミケ」の存立が危ない!? (6/7ページ)

学生の窓口

賠償請求をしやすくなったことにより、これまでは「さほどの額にはならないだろう」と考えていた作者が、法的措置に至る可能性や、作者自身が訴訟を起こさなくとも、その相続人らが利益の獲得を狙って訴えを起こす等の可能性も出てくるわけです。

コミケの主催者側としても、著作権侵害をほう助したとして、訴えられる相手方になる可能性があります。

■コミケを開催できなくなる可能性がある!?

――TPPによって実際に日本のコミケはどうなってしまうのでしょうか?

篠田弁護士 このようにTPPによる影響を見ていくと、「コミケは一切開催できなくなるのではないか」と懸念の声が上がるのも当然です。

ただ、実は、そう大きな問題とならないことも考えられます。というのも、著作権法違反となるのはあくまで、「著作権者の同意がない」場合です。なので、コミケの開催に先立って、事前に著作権者の包括的な同意を取っておくことにより、著作権法違反として犯罪視・問題視されること自体を防止できるという対応策もあり得ます。

――事前に著作権者の許可を得るわけですか。

篠田弁護士 また、実際に捜査機関が動いたとしても、まずは「著作権者の同意があるかどうか」を確認するでしょうから、著作権者が「同意あり」と回答した場合に捜査機関が立件できるか、というとこれは相当に困難であろうと思われます。

今後、著作権にまつわる制度の改正や、捜査機関の運用次第といったところはありますが、著作権侵害については「著作権者の同意があれば侵害とならない」という大前提に変化がない以上、さほど危惧することではないようにも思われます。

――なるほど。

篠田弁護士 むしろ、実際の捜査がどうなるかよりも、事実上の影響を危惧すべきといえるでしょう。例えば、「著作権法違反が非親告罪化される」という事実により、著作権者が過度に意識し、これまで黙認していた態度を一変し、「著作権侵害は許さない」という態度に変化することが考えられます。

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