弁護士に聞いた! TPP交渉で「コミケ」の存立が危ない!? (4/7ページ)
篠田弁護士 コミケの販売物が、元作品と全く同一性を有すると判断される場合は、「元作品を複製した」ということで複製権侵害となる可能性が高いといえますし、元作品を基として新たな創作性を加えた別の創作物を作成したと判断される場合は、「元作品を翻案した」「二次的著作物を作った」として翻案権侵害となる可能性が高いです。
――なるほど。
篠田弁護士 なお、一見著作権侵害に当たるように見えても、「私的複製=個人的に、または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とした複製」に当たる場合は、著作権侵害に当たらないとされています。
――私的複製という考え方が通用するのでしょうか。
篠田弁護士 コミケにおいては、確かに同好の士という若干狭い範囲での販売とはなりますが、不特定多数が集まるコミケにおける販売行為が「私的複製である」という解釈はなかなか難しいと思われます。
その他にも、コミケでの販売が、元の作品と混同される事態に至った場合や、元作品の地位を奪うような態様で販売された場合には、著作権法違反のみならず、不正競争防止法やパブリシティ権の侵害、商標権侵害、意匠権侵害等の問題も生じる可能性も皆無ではありません。
――著作権法だけの問題にとどまらない場合も想定できるのですね。
篠田弁護士 コミケには、上記のような法的問題が現実にはあるのですが、著作権者等が黙認しており、問題視しない以上は、トラブルや裁判といった話にはなりません。
また、著作権法違反は「親告罪」なので、犯罪となるためには「著作権者の告訴が必要」です。なので、元の作品の著作権者が法的措置を取ったり、告訴をしない限りは、賠償責任を負わされたり、逮捕されたり、刑事処分が検討されたり、といった事態には至らないのが現状なわけです。