弁護士に聞いた! TPP交渉で「コミケ」の存立が危ない!? (5/7ページ)
■TPP交渉で著作権の考え方が変わる!? 何が問題!?
――TPP交渉によって著作権について具体的に何が問題になるのでしょうか?
篠田弁護士 TPP交渉における著作権の検討内容として、
●著作権侵害の非親告罪化
●著作権保護期間を現在の50年から70年に延長
●著作権侵害における法定賠償金の導入
などが挙げられます。
現在の日本では、上記のように、著作権法違反は「親告罪」なので、著作権者が「告訴する」というアクションに出ない限り、犯罪として罪に問われることはありません。
しかしながら、これが「非親告罪」となると、著作権者が意図しなくとも、捜査機関が自らの判断によって「著作権法違反だ」と考えた場合には、「取り締まり」や「捜査を開始」することができてしまうことになります。
――これは大きな変更ですね。
篠田弁護士 これまでは事実上「黙認」されてきたコミケの開催やコミケでの販売行為ですが、TPPにより「著作権者が黙認していても、犯罪行為として扱われることになる」という可能性があるわけです。
また、著作権の保護期間が70年に延長されることにより、「50年前に作成された作品を使う予定だった」など、50年の保護期間を前提に著作物の利用を予定していたようなケースでは、予定どおりに著作物が使えなくなったという弊害が生じる可能性があります。
ただ、この点はコミケにおいては、最近話題のコミック、アニメということが多いと思いますのであまり関係ないかもしれません。
――しかし、かなりのインパクトがありそうです。
篠田弁護士 法定賠償金制度の導入も、大きな影響があると考えられます。
法定賠償金制度とは「損害の立証がなくとも、裁判所が、法律で定められた金額を賠償として支払わせることを命じることができる」制度です。
これまでは、損害の額を著作権者が証明しないと賠償してもらえなかったのですが、例えば一つの作品につき「数百万円」という賠償金の計算が形式的にできる可能性が出てくるということです。