「ガンバ」キャラクターの名付けに「反省です」――『冒険者たち』作者・斎藤惇夫さんに聞く“子どもと読書”(2) (2/3ページ)
でも、マンプクをはじめとして、いろいろなキャラクターたちがあらわれて、自分が経験したこともない世界に進んでいく。そして大人の入り口まで辿りつく。それは思春期から青春期にかけての私自身なんですよね。
またノロイのイメージは、60年安保闘争の際に対峙したものも投影していますが、やはり思春期から青春期にかけての、魅力的な年上の女性のイメージが多分にあります。(ノロイのモチーフとなった)八丈島で出会った、木漏れ日を浴びて白く輝いたイタチは本当にきれいでした。
――15匹の仲間たちの中で、最もご自身に近いキャラクターは誰だと思いますか?
斎藤:全員ですね。それぞれが自分の心の分身です。実は最初、まともな名前をつけていたのですが、物語が進むにつれてどれがどれだか分からなくなってしまって(笑)適当な名前をつけたのですね。それで最後に書き直そうと思っていたのですが、書き直す力もなかったのでそのままで出したところ、子どもたちが好きになってくれたんです。
――特徴をつかんでいて覚えやすいです。イカサマとかヨイショとか、ガクシャとか。
斎藤:そうですね。ただ、後から振り返ったときに、ああいった名前にしたことによって、そのキャラクターが成長する物語性が薄くなってしまった。名前が特徴を表してしまっているので。キャラクターによって物語を深くできなかったことは反省です。
――『ガンバ』シリーズは編集者の仕事と両立して執筆をされたそうですが、かなり大変な作業だったのではないでしょうか。
斎藤:だいたい書く時間は決めていて、毎日夜の23時から1時までの2時間、枚数は6枚。それ以上は書きません。多少遅く帰っても、この時間ならば書けますからね。1時過ぎて執筆を続けると、翌日編集の仕事に差し支えるというところもあって、時間は堅く守りました。特に長編は調子に乗るとダメなんですよ。抑えて書く。「ああ書きたくないな」と思っているときの方が冷静なので良かったりするんですよね。
――戦いのシーンなんかは熱くなってしまいそうですが…。
斎藤:時間がきたら、いくら熱くても冷静に切っちゃう。