消滅する熱帯雨林 「焼畑農法」に悩まされるインドネシア (1/4ページ)
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今のインドネシアにあたるスマトラ島やジャワ島は、かつて東南アジアの食料庫だった。
豊かな森林と温暖で降水量に恵まれた気候、栄養分に満ちた土、そして島自体の広大さ。コメの三大品種の一つであるジャバニカ米を生み出し、上質の絹や木綿を紡ぎ、数え切れないほどの家畜を育てていた。
だがそれは、過去の話である。今や食糧の完全受給は達成しておらず、農業の機械化からも完全に取り残されてしまった。21世紀も15年を経た今でも、農耕牛が第一線の現場で働いている。
「月に50ドル稼げるか否か」という環境で生きるインドネシアの農民にとって、ヤンマーやクボタの農業機械は夢のまた夢、遙か遠い場所にある憧れだ。中央政府からようやく支給されるのは、日本では「家庭菜園用」と謳われている手押し式耕うん機である。大型トラクターなどはテレビでしか見たことのない農民も、多く存在する。
インドネシアの農業は、オランダ植民地時代から殆ど進化していない。開墾の手段も前時代的だ。何しろ、スマトラ島では未だに焼畑農法が行われているのだから――。
■ 煙に包まれた国

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1ヶ月ほど前、筆者はシンガポールの友人からこんなメッセージをもらった。
「君の国の医療用マスクを、できるだけたくさんシンガポールに持ってこられないか」。
その友人は、どうやら真剣らしい。
“世界一のマスク好き”として知られる日本人が作る製品は、世界中の医療現場で採用されている。友人曰く、有毒成分をカットできるマスクがどうしても必要だという。
シンガポールは、インドネシアのスマトラ島から飛来する煙に悩まされている。大規模な焼畑農法による煙害だ。
シンガポールにも届くそれは、政府が警報を出すほどのレベルにまで達している。