2016年3月9日は皆既日食の日。観光業 「天体ドラマ」で地方活性化へ (1/3ページ)
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2016年3月9日は何の日か、皆さんはご存知だろうか?
皆既日食が観測される日である。場所はインドネシア。しかも首都ジャカルタから離れた都市の上空に皆既日食帯が通過する。
現地の報道を見ても、日食の話題が最近ちらほらと出ている。だが実を言うと、インドネシアでは日本ほど日食が騒がれない。
この国では33年ぶりの日食観測というにもかかわらず、だ。どうもインドネシアの人々は、こうした珍しい自然現象に一喜一憂するということはあまりしないらしい。皆既日食のことも「知らない」という人が多いくらいだ。
しかしそれでも、現地の観光関係者にとっては一大イベントである。
■ 日食は不吉?
インドネシアは今でこそ国民のほとんどが一神教、すなわちイスラム教やキリスト教を信仰しているが、600年ほど前まではアニミズムの国だった。
アニミズムとは、すべてのものに人格的霊魂が宿っているという宗教概念である。その影響は今でも色濃くあり、インドネシアでは今も幽霊を信じる人が非常に多い。
一神教の概念に幽霊など存在しない。だがアニミズムはそのような信仰上の矛盾を人々に受け入れさせてしまうほど、粘り強い概念なのだ。
そうした人々が日食を見たら、どう思うだろうか? 「精霊がお怒りになった!」とパニックを起こす。
現に33年前、一部の地域でそういうことがあったと聞く。もちろん今現在のジャワ島市民はそうはならないが、それでも「日食は不吉なもの」という考えを心のどこかに持っている人も少なからず存在するようだ。
80年代には、そういう市民が現在より多くいたことは間違いない。それに加え1983年の皆既日食は、人類史に残るほどの劇的な日食だった。
というのも、皆既日食帯が世界遺産ボロブドゥールのある地域に接近したのである。これは当時、NHKが番組制作のためにその様子を撮影した。
現場にいた人たちは、世界最大の仏教遺跡と皆既日食のコラボレーションという、稀有な瞬間を目撃したのだ。これ以上の幸運はない。