森山&島尻「新大臣」の“黒い交際”疑惑…地方議員の錬金術とは (2/2ページ)
会員制クラブを「談合組織」にしていた県政のドン
筆者は自著や雑誌への寄稿でしばしば国会議員たちの「陳情処理」という名の「口利きビジネス」について取り上げているが、利権漁りの度合いではむしろ地方議員のほうがはるかに露骨だ。地方議員は議員専業というのはむしろ珍しく、たいていは土建業など何らかの「商売」を本業にしているのが普通だ。当然、立場を利用して自らの利益を図ろうと画策する。土建業者であれば、役所の幹部から入札価格を聞き出し、「談合」を仕掛け、息のかかったゼネコンに落札させ、自分の会社がまんまと下請けに入り込むといった具合だ。
そんな「政治ゴロ」の典型が公共工事に介入してさんざん利権を漁った挙げ句、よほど税金を払うのが嫌いなのか、市県民税を12年間、3000万円も滞納し、親戚筋の千葉市納税課長を使って延滞金1億2000万円のうち3000万円を棒引きさせ、背任罪で逮捕されたこと花沢三郎元千葉県議だ。
花沢と共に「県政のドン」の名をほしいままにし、競うように実に奇想天外な手口で公共工事の配分をしていたのがⅠという県議だ。花沢は総武線沿線、Ⅰは常磐線沿線と“棲み分け”ができていたから、利権を巡っての衝突はなかったが、Ⅰは千葉県議として連続当選7回を重ね、県会議長までやった最古参。しかも広域暴力団の総長と「兄弟分の杯を交わした」と公言してはばからなかった無頼代講士の「舎弟分」でもあったから、県幹部は鬼のように恐れ、知事や副知事でさえ一目おかなければならないほどであった。
さて件のⅠセンセイ。愛人に銀座で会員制クラブをやらせていたが、奇怪なのは、「会員」がすべて建設業関係者だったことである。しかも飲み代は法外にも1人で「100万円」。店には「貴賓室」なるものが設けられ、ときどき“密合”が開かれ、次の公共事業をどの業者に割り当てるかIから「天の声」が発せられる。その店は巧妙にカムフラージュされた「談合組織」であった。100万円のうち数万円が実費。他は「談合組織の会費」だが、「客が納得して飲んでいる以上、代金をいくらにしようが違法献金にはならないはずだ。文句あるか!」というのがⅠの言い草である。
Iセンセイ、よほど悪運が強いのか、花沢のように逮捕されることなくあの世に旅立っている。
- 朝倉秀雄(あさくらひでお)
- ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中