上司に理解されない悩みがなくなる「自工程完結」6つのポイント (1/3ページ)
『現場からオフィスまで、全社で展開する トヨタの自工程完結―――リーダーになる人の仕事の進め方』(佐々木眞一著、ダイヤモンド社)の著者は、長らくトヨタ自動車に関わってきた同社の相談役・技監。
多くの経験を軸として、「一生懸命がんばっているにもかかわらず成果が出ない」人がたくさんいる現代の状況はおかしいと問題提起をしています。
では、なにがよくないのかといえば、問題は「仕事の進め方」にあるのだとか。それはトヨタにおいても同じなので、同社ではいま「自工程完結」呼ばれる新たな取り組みを行っているのだそうです。
上司と部下とのすれ違いは、ビジネスの現場においてはよくあること。著者によれば、その理由としては以下の6つがあるといいます。
(1)なんのために資料をまとめるのか、「目的」の共有がない。
(2)どんな資料をまとめるのか、「アウトプットイメージ」を共有していない。
(3)どうやって資料をつくるのか、具体的な「手順」が共有できていない。
(4)それぞれの仕事で、どういう状態であれば大丈夫なのかが共有されていない。
(5)仕事に必要な情報をもれなく把握できていない。
(6)手順やルールには、なぜそうするのか「ワケ」があるのに、勝手に判断してしまう。
そこで、このような「一生懸命やっているのに上司から理解されない」という理不尽な状態を起こさせないための取り組みが「自工程完結」だということです。
ここで重要なのは、すべての仕事には必ず、うまくいく仕事の進め方=「工程」があるということ。それをしっかり洗い出しているか、ぼんやりとしたなかで仕事をしているかの違いです。
そしてスタッフ部門の仕事の「工程」とは、「意思決定」だと著者はいいます。資料づくりでも企画でも営業でも、なんらかのアウトプットを出していく途中にはいくつもの「意思決定」が存在するもの。それらが積み重なって、最終的なアウトプットが出てきているというわけです。