後継社長の「新規事業」が失敗するワケ (1/3ページ)

新刊JP

『先代を超える「2代目社長」の101のルール』の著者・長井正樹さん
『先代を超える「2代目社長」の101のルール』の著者・長井正樹さん

 芸能人にしても、経営者にしても、「二世」には何かと「親の七光り」という言葉がつきまとう。こうした世間からの冷やかな視線をはねのけ、「●●の子ども」という看板の力を借りずに、その世界でのし上がっていく人がいる一方、プレッシャーや誘惑に押し潰され姿を消す人も少なくない。
 特に企業経営の世界には「初代が創業して二代目で傾き三代目が潰す」という言葉があるほど、親の事業を継いで発展させていくのは難しいことなのだ。
 『先代を超える「2代目社長」の101のルール』(明日香出版社/刊)の著者である長井正樹さんはこの例えでいうと「三代目」だが、事業承継の「苦しさ」を存分に味わいながらも、見事に事業を発展させている。長井さんがこの体験で味わった、事業承継の「苦しみ」と「喜び」はどんなことだったのだろうか。今回はインタビューの後編をお送りする。

――前回のインタビューで出てきた「古参のスタッフの方のサポートもあって、父と和解できた」というエピソードが印象的でした。

長井: これは象徴的な出来事でしたが、古参スタッフにはいつも助けられています。ただ、そういった周囲の支えに気づくことができるまでに、会社を継いで4、5年はかかったと思います。

――つまり、その4、5年の間にご自身のなかで変化があったということですか。

長井:そうですね。それ以前の私は、何かと見栄を張って、「俺はすごいんだぞ」と周囲にアピールしてばかりいました。それだけ、まわりに「すごい」と思われたかったんでしょう。ただ、それは裏を返せば、自分で自分ことを「すごくない」と分かっている証拠でもあります。そんな状態だと当然視野も狭いですから、周囲の支えに気づけるはずもありません。
語弊のある言い方かもしれませんが、やはり何かを成し遂げた先代に比べて、二代目、三代目というのは「すごくない」んですよ。そのことを受け入れるのに5年ほどかかったということです。

――何かきっかけがあって、そのことを受け入れられるようになったのですか。

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