撮影裏に迫る『レヴェナント: 蘇えりし者』のメイキング (2/6ページ)
ディカプリオが演じるのは、灰色熊に襲われた上に仲間に見捨てられ、たった一人で大自然の脅威と戦いながら、復讐心を胸に生き延びようと抗う男、ヒュー・グラス。彼は実在の人物で、アメリカの伝説的探検家であり罠猟師です。
イニャリトゥ監督は『レヴェナント~』の中で、過酷な状況に立ち向かう人間の魂やサバイバルの中で得た気づきといった詩を表現したかったのだと思うと、ディカプリオは言っています。
製作中、ホークを演じたフォレスト・グッドラックと彼の家族はノースダコタ州にあるインディアン居留地を訪れ、彼らの歴史や先祖代々の土地に残る現実を学んだそうです。
ダム建設のために水没した保留地、オイル発掘のために移転しなくてはならなかったインディアンたちは、オイルカンパニーが作る金額とは比べ物にならないほど低い金額で契約をかわしてしまったと言います。当時のインディアンはよそ者を歓迎しているようでしたが、それは彼らがそこに滞在すると考えなかったからでしょう。
もちろん、そこに来た全ての企業が悪徳だったわけではなく、インディアンと友好な関係を築いていた企業もあったようです。しかし、オイルが原因の事故でインディアンが被害に遭うというのは決して珍しいことではなかったとのこと。
『レヴェナント~』の中で、トム・ハーディ演じるジョン・フィッツジェラルドは自分の理解できないものに恐れを抱いており、インディアンとのハーフであるグラスの息子に嫌悪感を示します。
ジョンは人種差別主義者の男を演じていますが、監督は彼を悪役/ヴィランとしては描いていません。人種差別は無知がもたらしたものであり、ジョンもまた当時の歪んだ社会観の被害者なのです。