「5W1H」を正確に伝えている?情報発信の際にやりがちなミス (1/3ページ)
『ブームをつくる 人がみずから動く仕組み』(殿村美樹著、集英社)の著者は、「PRプロデューサー」。
これまでに「ひこにゃん」「うどん県」「佐世保バーガー」「今年の漢字」など、世間を騒がせたさまざまなムーブメントのPRを手がけてきたのだそうです。
「PRプランナー」や「PRコンサルタント」ならまだしも、PRプロデューサーとはあまり聞いたことのない職種ですが、そう名乗ることには理由があるのだといいます。
つまり著者が理想とするPRは、従来型の「企業PR」とは本質的に異なるものだということ。
すでにでき上がった商品や理念を既存のレールに沿って告知するのではなく、PR活動を通じ、ひとつの文化をつくり上げていくことを目指しているというのです。
根底にあるのは、「文化と歴史は“つくるもの”」だという考え方。だからこそ、PRはプロデュースしなければはじまらないものだというのです。
つまり本書では、そのような考え方を軸として、ブームづくりについての持論を展開しているわけです。
■ダイレクトメールはPRではなく広告!
ブームをつくるということは、社会を動かすということ。社会を動かすために避けて通れないのは、クライアントを動かすこと。
そして同じように重要なのは、「メディアを動かす」こと。PR業務には、メディアとの連携が必要不可欠なのです。
ところで製品やサービスの情報を、人々に対して直接発信する方法として思いつくものに、ダイレクトメールがあります。しかしダイレクトメールはPRではなく、広告に分類されるもの。
またダイレクトメールは大量に印刷し、さらにポスティングも行わなければならないため、コストも発生することになります。
いっぽう、PRの場合はまずメディアに向けて「プレスリリース」という形で情報を発信します。そしてその情報をメディアによって、ニュースとして人々に伝えてもらうということ。
いわば、メディアが持つ情報発信力を「てこ」のように利用するのがPRによる情報発信の手法。著者は、そう解説しています。