あの忌まわしい事故からちょうど30年。チェルノブイリは今、野生動物が支配する世界へと変貌していた (4/8ページ)
地面にはイノシシが餌を求めて掘った痕跡が残されていた。
反対側の村はずれには、ソ連時代の用水路がまっすぐに伸びており、カバの木の根元には齧られたばかりと思われる明るい色をした木屑が落ちている。3週間前には立っていた、周囲1mはありそうなカバの木が用水路の淵のあちこちで倒れている。

出典: karapaia
ソ連時代の水路に渡されるように倒れたカバの木。ビーバーによるもの。image credit:JOHN WENDLE
「ビーバーの個体数は増加しています。そして、かつての野生の状態が戻ってきています」とシュクヴィリア氏が木屑を指差して言う。ビーバーによって木が倒されるうちに、土地はかつてあったような沼地に戻るのだという。「やがては100年前の状態になるでしょう」
ウクライナのビーバーはアフリカにとっての象のような存在で、風景を全く変えてしまうのだそうだ。
放射線の影響は?白熱する専門家の議論
チェルノブイリの悲劇によって設けられたウクライナとベラルーシの立入禁止区域は、4,000km2以上の広さがあり、ヨーロッパでも最大級の自然保護区のような場所になっている。
しかし、その中心にあるチェルノブイリ原子力発電所が野生動物に与える意味合いについては、専門家同士で意見が真っ二つに分かれている。