洗脳。その恐ろしい9の手口と実体の実例 (4/7ページ)
心理学者ロバート・チャルディーニはこうした不安感の増大を”コミットメントの法則”によって説明している。これは人が気まぐれや不誠実であることを嫌うことから、自分の意見を公に口にしたことと一致させようとする傾向をいう。
部分的には成功していた朝鮮戦争におけるこの洗脳技法は、全体的にはそれほど効果的ではなかったようだ。戦争終結時に帰国を拒んだ戦争捕虜はわずか23名のみで、中国側も終戦の1年前にはこのセッションをほとんど行わなくなっていた。しかし、国内においては似たような技法がその後も利用されており、チベットのパンチェン・ラマは写真に写されているように1964年にこのセッションを受けている。・6. 愛の爆弾
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カルト教団にとって、信者が教団の外の世界は危険で、誤りに満ちているという印象を抱いていれば何かと都合がいい。そして内部に対してはそれと真逆の印象を与えるために、新しい信者には”愛の爆弾”で歓迎を演出する。愛の爆弾は、新しく入信しそうな者や入信したばかりの信者に多大な注目と愛情表現を浴びせる行為のことだ。最初にこの用語を使ったのはおそらく神の子供たちか統一教会だろうが、現在は数多くの団体で使用されている。
社会心理学において、人が他人の親切に対して報いようとする傾向については広く認められている。したがってカルト教団が信者に示す嘘の愛や友情は、義務感、恩、罪悪感を植え付けることを意図したものだ。マーガレット・シンガーはこれをカルト教団の主要な特徴だとしている。新しく勧誘される人が求めているものは、まさに仲間意識や承認であるため効果的だ。
エドガー・シャインによれば、カルト教団への入信は”解凍と再凍結”によって行われるという。解凍ステージでは、入信の見込みある者が自分の古い世界の見方を疑うと同時に、教団の思想への抵抗感は薄れ始める。再凍結ステージでは、そうした新しい物の見方が強化される。愛の爆弾は解凍の重要な要素であるとシャインは指摘する。