洗脳。その恐ろしい9の手口と実体の実例 (6/7ページ)
2003年、リック・ロスはカルト的な活動で批判されていた自己啓発団体NXIVMのマニュアルの抜粋を入手した。これをネット上で公開したところ、逆に訴えられる羽目になった。また元NXIVMメンバーの多くも訴訟を起こされている。ある免訴された訴訟で訴えられたのは、ただ退会しようとしただけで”抑圧的”と決めつけられた元メンバーで、2つの大手弁護士事務所と1つ弁護士グループによるいつ終わるともしれない訴訟に巻き込まれることになった。ちなみにこの抑圧的という表現は、退会しそうな者や敵対する者に対してNXIVMが使用する常套句である。
サイエントロジーもまた敵対する相手に訴訟を仕掛けることで有名だ。L・ロン・ハバードは1967年に「サイエントロジーの批判者で犯罪歴のない者はいない」と記し、そうした本質的に罪を負っている批判者を黙らせるには訴訟を利用するべきだとの見解を示している。こうした訴訟の目的は勝つことではなく、相手に嫌がらせをし、士気を砕くことである。テレビネットワークのHBOは2015年の『ゴーイング・クリア』放送に当たって、訴訟への対策として160人もの弁護士を前もって用意したほどだ。・9. 思考停止させるための決まり文句
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ロバート・リフトンが考察したまた別の重要な概念は、服従を強いるために使われる”それ以上考えさせない決まり文句”である。この決まり文句によって、人間の複雑で多岐にわたる問題がごく短い、わけ知り顔のフレーズに圧縮されてしまう。リフトンが挙げる古典的な例は、中国やソ連などの共産政権が使ったもので、「抽象的、高度に分類的、容赦なく断定的」であることを特徴としている。
ソ連はこの類のフレーズを好んで利用しており、ジョージ・オーウェルの『1984』はそれをモチーフとしている。作品では、抑圧的な政府が”新語法”という言語を作り、国家が定めたこと以外の内容を考える能力を抑制しようとしている。