次の巨大地震はどこ?日本列島「A級警戒エリア」 (2/2ページ)
特に近畿地方は活断層が多いため、警戒が必要ではないでしょうか」
前出の田所氏も、2つの構造線に注目する。「熊本、大分の地震は、中央構造線になんらかのストレスがかかったために発生した可能性があります。さらに因果を遡れば、中央構造線にストレスを与え影響したのが、海底のプレートではないでしょうか。そうなると、かねてから危惧されている南海トラフ地震の発生リスクが上昇していると言えるでしょう」
“トラフ”とは“浅めの海溝”のことだが、南海トラフは、海底のプレートであるフィリピン海プレートと大陸のプレートであるユーラシアプレートが衝突するエリアだ。その南海トラフの西端にあたる日向灘沖を震源とする地震のリスクも指摘されている。「フィリピン海プレートは日向灘沖付近からユーラシアプレートの下に潜り込んでいます。私は日向灘沖でM8.7以上の巨大地震が、東京五輪の前までに発生する可能性があると考えています」(琉球大学の木村正昭名誉教授) 木村名誉教授は同時に、火山の噴火についても警戒を促す。「九州一帯の火山の火口底は下がっていません。これは地下のマグマ溜まりが押し上げられている証拠ですから、周辺火山が噴火する可能性も考えられます」
また、伊豆諸島南沖や北海道の十勝沖も要警戒だという。「東日本大震災を引き起こした太平洋プレートのストレスは北側と南側に伝播していくと考えられます。ですから、北海道南東沖や伊豆諸島南沖を震源とした巨大地震が発生するかもしれません」(木村名誉教授)
整理すると、現在、巨大地震の発生リスクが高まっていると予測されるエリアは、「近畿地方」「南海トラフ」「日向灘沖」「伊豆諸島南沖」「十勝沖」の5か所。加えて、最大の被害が出ることが必至なのが、「首都直下型地震」だ。「政府の地震調査研究推進本部は、30年以内の発生確率を70%と発表しています。この結果を深刻に捉えた政府は有識者会議を主宰し、M7クラスの首都直下型地震の被害予想19通りに加え、関東大震災に匹敵するM8.2の被害、元禄関東地震と同じM8.5の被害を試算しています。その結果、最悪の場合、死者のみで2万3000人、経済損失はGDPの25%に相当する約95兆円に達するという結果が出ているのです」(前出の田所氏)
これは誇張ではなく「ニッポン崩壊」ではないか。「政府はもとより、各自治体は不断の努力で、発災への備えをしていかなくてはなりません」(前同) “地震大国”を宿命づけられた日本。神は何ゆえ、我々に、このような試練を与えたのか。日本国民は、この過酷な運命を、知恵と勇気で乗り越えていかなければならない。