AV業界は自滅する?大規模なガサ入れをした警察の"真の目的"とは【2】 (2/3ページ)
■契約書(出演承諾書)の内容について
今回の騒動で、契約書に関して指摘する声が多かったように思う。例えば「モデルとして契約したのに実際はAVだった」といったように。しかし、すぐ上で説明したように裸のお仕事を縛り付ける法律のせいで、仕事がAVだったとしても「カメラの前でセックスするお仕事です」と書く訳にはいかない。ギリギリのラインが「成人向け作品への出演も含む」といった一文だろう。
そうした点を一切説明しないとか、騙すとか、違約金で脅すといった手段を使う悪徳プロダクションに対しては庇う気持ちなどサラサラないが、しかしこうも考えてみて欲しい。契約書に具体的に明記できない以上、口頭で散々説明したとしても、後から「騙された!聞いてない!」と言われたら、プロダクションの側には弁解する武器がないのだ。
「契約内容の説明を録音しておけば」と思う方もいるかもしれないが、そんな音源を残していたら、有害業務に就かせる目的で女性を勧誘している証拠になるだけだ。AVプロダクションの仕事とは、このように八方塞がりでもあるという点をご理解いただきたい。
そんな状況だから、プロダクションとしては身の安全の為にも「疑似本番でお願いできませんか」と言いたいところだが、それを言ったらメーカーの方から「そんなんじゃ商売にならない、お前のところの女優なんか使わない」と言われてしまう。だから女の子に仕事(金)を渡したいプロダクションは、メーカーが望むままに"本番できる女性"を集めてくる。
このニュースではプロダクションだけが悪者として扱われているが、実際にはプロダクションにそれをヤラせている(そうせざるを得ないようにしている)のはメーカーである。言ってみれば、AVメーカーはリスクの大部分をプロダクションに負わせているも同然なのだ。これについては警察もとっくに理解しているので、今後何かしら新しい展開が報じられるだろう。
また、こうしたAVメーカーの「プロダクションに押し付ければいい」という考えの卑劣さを指摘し、プロダクションだけの問題ではないと言ってのけたのが、実はかの伊藤和子弁護士である。彼女の言動には疑わしい点も多く、どうしても批判が先に立ってしまうが、この点に関しては実に真っ当な判断をしている。