ディズニー王国事始め~『白雪姫』がすべてを変えた(1):高橋ヨシキ連載4 (4/5ページ)

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善きにつけ悪しきににつけ、ディズニー映画は、少なくとも初期のディズニー長編は特定の時代や特定の場所(国)との結びつきをなるべく感じさせないように作られていました。それは意図的なものです。もちろん、(初期の)ディズニー作品において、そういった「国」や「時代」との結びつきがまったくないと言っているわけではありません。ですが、たとえば「この物語は、西暦××年、ドイツの××地方を舞台にしたものである」というような強い結びつきは避けられている。そうでなければ、各国語版の『白雪姫』において、わざわざ7人の小人のベッドに彫り込まれたそれぞれの名前が、別の言語に書き換えられてはいないわけです。7人の小人のベッドは、背景画を公開する国の数だけ描き分けて再撮影されているわけですが、これを字幕で処理することはできたはずですし、また単に英語版だけで済ませることだって不可能ではなかった。でもディズニーはそうしませんでした。それは「昔々、どこかの王国で……」という物語であったとしても、誰もが(どこの国の人でも)身近に感じることができるように配慮したからに他ならないからでしょう。同様の理由で『白雪姫』ではセリフをできるかぎり削ること、またセリフであっても「歌のように聞こえるように」することが求められました。

『白雪姫』は、何もかもが真にエポック・メイキングな作品でした。後の文化全般に与えた影響、エンターテインメントの新しい「形」を生み出したというような意味において、『白雪姫』に比肩し得る作品は『スター・ウォーズ』ぐらいしかない、という人もいます(『スター・ウォーズ』がいまやディズニー作品になっていることを考えると皮肉ですね)。次回はそんな『白雪姫』について、掘り下げて見ていきたいと思います。

(つづく)

<木曜連載>

画像:(Original theatrical poster for Snow White and the Seven Dwarfs Illustrated by Gustaf Tenggren. Artwork (C) 1938 Walt Disney Productions and RKO Radio Pictures.)
※「研究を目的とする主文」に対する「引用画像」として掲載しております。

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