秋津壽男“どっち?”の健康学「住環境の変化で脱水症状に注意。ペットボトルを手の届く範囲に」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 よく「熱中症になったなと思ったら水道の蛇口まで歩いていって水分補給すればいいじゃないか」という声もありますが、若者と違って、老人は体力が衰えているので、少しの脱水で動けなくなるため、室内でも、手の届く範囲にペットボトルを置いておくことが肝心です。旅先の旅館で枕元に水が置いてあるのは、実に理にかなったことと言えます。

 夏になると、両親が車の中に赤ちゃんを置き去りにしてパチンコに興じたあげく、脱水症状で亡くなる事故が時々聞かれますが、真夏の機密性の高いマンションは環境的に大差ありません。さらに言えば、真夏の炎天下での草野球などは、現代では危険な行為に等しいと言えます。

 日本の夏における平均気温を調べると、100年前より1度以上上がっています。たかが1度、と思われるかもしれませんが、猛暑もあれば冷夏もある中での「平均気温」、という事実を忘れてはなりません。株価チャートのように小さな上下を繰り返しながら右肩上がりになっており、90年以降、上昇度がいっそう高まっています。

 高温多湿な状況が続くと、人間の体は必要以上のエネルギーを消費させられますが、その限界を超えた形が夏バテです。

 木造の家で障子を開け閉めしながらうちわで過ごしていたのが、鉄筋コンクリート、アルミサッシ、エアコンと変化しました。私たちも先入観にとらわれず、時代の変化に合わせた熱中症対策を心がけましょう。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「住環境の変化で脱水症状に注意。ペットボトルを手の届く範囲に」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 7/14号“どっち?”の健康学脱水症ミネラルウオーター秋津壽男社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る