水不足や猛暑など<異常気象>が続く、2016年…異常気象がもたらす、再生可能エネルギーへの影響とは?専門家・柏木孝夫氏が語る「日本のエネルギー供給」の実態と課題 (5/7ページ)
そして、事業者が購入した費用については、個人・法人問わず、すべての電気利用者に「賦課金」として、使用量に応じて請求されているのです。この賦課金も、2013年度は0.5兆円でしたが、再生可能エネルギーの拡大にあたっては、約4兆円近くまで増加する見通しとなっています。
市場原理を働かせるために太陽光発電所自体をインターネットオークションにかけるなど、再生可能エネルギーの効率面やコスト面の改善に向けた取り組みも進められていますが、現状では、再生可能エネルギーを推進するほど、賦課金が増えてしまうことになり、国民の生活にも大きな影響が出てしまう懸念があります。
◆自給率アップ・コストダウン・CO2排出量の削減を満たすエネルギーミックスとは?
再生可能エネルギーは「エネルギー自給率アップ」や「CO2排出量の削減」に寄与しますが、前述の通り、不安定かつコントロールが難しいため、火力発電などのバックアップ電源の確保が非常に重要になってきます。また、導入拡大に向けては、コスト面の負担も踏まえた検討も必要です。つまり、特定の電源に過度に依存することなく、火力や原子力なども組み合わせた持続可能なエネルギーミックスを考える必要があります。
エネルギー資源の乏しい日本では、昨年7月、この「エネルギーミックス」について、2030年に向けて3つの目標が設定されました。
まず1つ目が、「日本のエネルギー自給率を25%まで高める」ということ。2013年における、日本のエネルギー自給率は6.1%と言われています。一方で、アメリカは86.0%、イギリスは57.6%、フランスは53.8%。他の先進国と比べると、日本の自給率がいかに低く、海外からの輸入に大きく依存しているかがわかると思います。
2つ目は、「電力コストの引き下げ」です。国は2030年までに、再生可能エネルギーの拡大に伴う賦課金の増加分を、原子力発電の活用や火力発電の高効率化などで補うことにより、現在の水準に比べた電力コストを2~5%程度削減することを目指しています。また、エネルギー資源を輸入に頼らざるを得ない我が国にとって、特定の電源に依存せず多くの選択肢をもつことは、バーゲニングパワー(価格交渉力)の向上にも繋がります。