水不足や猛暑など<異常気象>が続く、2016年…異常気象がもたらす、再生可能エネルギーへの影響とは?専門家・柏木孝夫氏が語る「日本のエネルギー供給」の実態と課題 (6/7ページ)

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3つ目が、「CO2排出量の削減」。具体的には、「欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標=2013年度比26%減」を掲げ、世界をリードするというものです。「CO2排出量の削減」を目指す上では、運転中にCO2を排出しないエネルギー、いわゆる「ゼロエミッション」の電源が44%程度なければ、目標とする数字の達成は難しい計算になります。

まとめると、「エネルギー自給率アップ」、「コストダウン」、「CO2排出量の削減」。この3つの条件を満たすエネルギーシステムが求められているということになります。

そこで国は、太陽光・風力・中小水力・地熱・バイオマスなどを組み合わせることで、2030年までに再生可能エネルギーの比率を、22~24%程度まで高めるとともに、原子力発電の比率を20~22%の範囲で供給する方針を掲げています。この数値を達成することにより、エネルギー自給率を改善するだけでなく、コスト削減を図るとともに、「ゼロエミッション」の電源44%という目標を達成できることになります。

福島第一原子力発電所事故では、原子力の負の側面が浮き彫りになりました。一方で、化石燃料は二酸化炭素を排出するとともに、資源枯渇の問題を抱えています。再生可能エネルギーも出力が不安定など、それぞれの電源は光と影を持ち合わせています。

暮らしと産業を支えるエネルギーの問題は非常に複雑です。「原子力が是か非か」「再生可能エネルギーを推進すべきか、そうでないか」など、二者択一の中に答えを見出そうとしたり、極端な方向に走ったりすると、どこかで破綻してしまいます。今後の経済成長や雇用などさまざまな要素も考慮に入れて、国民全体が正しい知識をもってエネルギー問題を理解し、対応していく姿勢が必要であると言えます。

<専門家プロフィール>
柏木孝夫(かしわぎ・たかお)
東京工業大学 特命教授・先進エネルギー国際研究センター長
1946年東京生まれ。1970年東京工業大学工学部卒業。1980~1981年、米国商務省NBS(現NIST)招聘研究員などを経て、1988年東京農工大学工学部教授に就任。2007年東京工業大学大学院理工学研究科教授。2012年から現職。
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