これは生物かロボットか。ハーバード大学が作り出した人工のエイ (1/2ページ)
Photo credit: marfis75 via Visual Hunt / CC BY-SA
その透明な、体長が2センチに満たない小さなエイは、光りを当てるとそちらに向かって泳いでいく。
その波打つようなヒレの動かし方や泳ぎ方は、どう見てもエイだ。
しかし、よく見ると目も口も無い。しかも透明な体の中心部に有るはずの骨は、金属だ。
実はこのエイは米ハーバード大学の研究者らが作り出した人工のエイ。しかも泳ぐために動いているヒレは筋肉で動いているという。
これはいったい、生物なのか、ロボットなのか。
■ 金属の骨格に生物の筋肉
米ハーバード大学の生物工学者であるKevin Kit Parker氏は、20人の研究チームを率いて人工の有機体を柔軟に動かせることを証明する実験を行った。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=-D_XrRo0h20]
それは、エイのようにヒレを波打ちながら泳ぐ物体だ。物体と書いたのは、これは生物とは呼べそうにないし、かといってロボットとも呼びにくいからだ。
いずれにしても、研究室で人工的に作り出された物体だが、筋肉細胞を使って泳ぐことができる。しかも青い光に向かって泳ぎ、上手く誘導すれば障害物も避けて泳ぎ続けることができる。
本稿ではこの物体を、人工エイと呼ぶことにしたい。
この人工エイは本物の生物であるアカエイをモデルにして10分の1のスケールで再現している。重さは約10グラム。
人工エイは柔軟性のある金の骨格を持ち、シリコン樹脂を貼り合わせた構造で作られているが、ヒレにはラットの生きた心筋細胞が20万個配置された層がある。
■ 遺伝子組み換えと細胞組織の巧みな配列で動くヒレ
人工エイに使われているラットの生きた細胞は、心臓本来の自発的な収縮と拡大を繰り返さないように、藻類の遺伝子を加えて組み換えられている。遺伝子の組み換えにはウィルスが利用された。
その結果、特定の波長の青い光を浴びると収縮するように性質が変えられているのだ。