金正恩氏が「処刑」再開、大物幹部を銃殺 (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

金正恩氏が「処刑」再開、大物幹部を銃殺

「高射銃」で人体が跡形もなく

金正恩党委員長の恐怖政治がまたもや牙をむき始めたようだ。韓国統一省は31日に行ったブリーフィングで、金勇進(キム・ヨンジン)教育副総理が6月末に公開処刑されていたと明らかにした。

これに先立ち、韓国の中央日報は29日、対北朝鮮情報筋の話として、「イ・ヨンジン教育相とファン・ミン農業相が、8月初めに平壌郊外の姜健(カンゴン)総合軍官学校で高射砲で公開処刑された」と報じた。姜健総合軍官学校とは、昨年、玄永哲元人民武力部長(国防省)が、まさにミンチと化された「処刑場」だ。

「処刑前」の現地指導

一方、韓国統一相は、中央日報の報道に対して、「イ・ヨンジンという名前とそのような職責はなく、確認中だ」と留保していた。しかし、この確認の過程で、衝撃的な事実が明らかになる。

統一省によると、処刑されたのはイ・ヨンジン(北朝鮮読みではリ・ヨンジン)氏ではなく、キム・ヨンジン(金勇進)副総理。彼は、今年6月末に開かれた最高人民会議に参加し、ひな壇の下部に座っていたが「座る姿勢が悪い」との理由で保衛部(秘密警察)の取り調べを受けた。

その結果、反党、反革命分子、現代版宗派であることが判明したという理由で、7月初めに銃殺されたという。

中央日報が報じたように「公開処刑」による銃殺だとするなら、政治的な理由よりも「見せしめ」の意味合いが強いようだ。正恩氏は昨年5月にも、スッポン工場(平壌スッポン工場に改称)の視察で激怒し、支配人を銃殺させた。その直前の映像は、テレビでも放映されているが、まさに「見せしめ」そのものであり、いかにも正恩氏らしい「恐怖政治」だ。

「この世の地獄」政治犯収容所

韓国統一省は、こうした情報と同時に、2人の大物幹部が一時的な思想教育である「革命化処分」を受けたと明らかにした。その人物とは金英哲(キム・ヨンチョル)氏と崔輝(チェ・フィ)氏だ。

金英哲氏は、過去には諜報、テロ、要人暗殺などの工作を行う対外工作機関「偵察総局」のトップを勤め、現在は対南工作を行う朝鮮労働党統一戦線部部長で、北朝鮮きっての対南強硬派と言われている人物だ。

「金正恩氏が「処刑」再開、大物幹部を銃殺」のページです。デイリーニュースオンラインは、高英起人権デイリーNKニュースエンタメ社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧