なぜ「広島カープ」は、“マエケンなし”でも優勝できたのか? (6/8ページ)
「シュールストロムさんは選手の実績や数字だけでなく、性格や練習態度などから日本向きかどうかを判断したうえで、選手を送り込んでくる。だからハズレがないんです」(前同)
もともと、日本野球を甘く見ているような選手は、広島に送り込まれてこない。やってくるのは、真面目な選手ばかりなのだ。「今年のエルドレッドを見てください。14年の本塁打王ですよ。それなのに、継投重視策によって外国人枠4人のうち3人が常に一軍にいた関係で、ルナと交代でファーム行きを命じられたり、新井や鈴木が好調だったことから6番を打たされたり。不慣れなレフトを守らされることも多かった。それでも腐らず、3割近い打率をキープし、19本のホームランを打って、チームに貢献するのだから、見上げたものです」(同)
一方、球団のほうでも、そうして獲得した外国人選手を「特別扱い」したりすることはないという。「キャンプから若手と同じように走らせるし、夜間練習の素振りも強制的に参加させる。それでも、彼らは文句を言わずに、厳しい練習についていく」(同) もともと、日本野球に合いそうな選手たちが、さらに真面目に研鑽を積んでいく。彼らの活躍は、当然過ぎるほど当然の話だ。
「外国人を特別扱いしないということは、差別しないということでもあります。当然、日本人も外国人も含めたチームとしての一体感が生まれるわけです」(スポーツ紙デスク) ちなみに広島の外国人で、初年度の年俸が1億円を超える選手は、まずいない。彼らもまた、“非エリート組”なのだ。広島のチーム環境は、ドラフト下位指名の若手だけでなく、外国人選手の雑草魂にも火をつけているのだ。
今、首都圏の球場でもスタンドが真っ赤に染まるという現象が起きている。カープファンが、いつの間にか大増殖しているのだ。もちろん優勝目前ともなれば、どの球団にも起きる現象ではあるが、広島の場合、優勝フィーバーによる一過性の現象ではなく、長年にわたる球団の営業努力の結果という側面が大きい。
その典型例が「カープ女子」。カープフロントは積極的に女性ファンを開拓しようと考え、14年に女性ファン向けに新幹線を利用してマツダスタジアムまで野球観戦に行くツアーを企画した。