なぜ「広島カープ」は、“マエケンなし”でも優勝できたのか? (7/8ページ)

日刊大衆

これは球団が東京-広島の往復の新幹線代(約500万円)を負担するという太っ腹なツアー。当然赤字だったが、その様子は各種メディアで伝えられ、抜群の宣伝効果をもたらした。

「他にも、球場内にバーベキューコーナーを作ったり、空中回廊のような観覧席を作ったり、野球を見るだけではない、新しいファン層の開拓にも力を入れてきました」(スポーツ紙デスク)

 広島が参考にしたのは、メジャーリーグのベースボールパーク。野球への興味の有無にかかわらず、とにかくスタジアムに客を呼び込もうという発想だ。その一方で、グッズ販売にも力を入れた。鈴木が2試合連続サヨナラホームランを打てば、「2試合連続サヨナラホームランTシャツ」が即座に販売されるというフットワークの軽さが、ある。

 こうした企業努力の甲斐あって、今シーズンは収容人員3万3000人のマツダスタジアムは連日超満員。9月4日現在の有料入場者数は187万923人と活況を呈している。大型補強をする余裕のない「貧乏球団」というイメージが先行する広島だが、実は40年間にわたって黒字経営を続ける超優良企業。赤字経営に悩む他球団が広島のノウハウを学ぼうと、躍起になっているという現状もあるくらいだ。

 親会社を持たない球団であるがゆえに「親会社の赤字補塡」を当てにはできず、独立採算で、さまざまな工夫をしてビジネスにつなげなければならない。そこで、他球団では生まれないユニークなアイデアを次々と出し続ける。まさに「企画力」の勝利だ。

 こうした地道な努力が着実にファン層を拡大し、いつの間にか広島は、日本でも有数の人気球団へと変貌してきた。盟主を自認する老舗球団が、自らのブランド人気にあぐらをかいている間に、人気、実力の両面で、大きな差をつけられる日は、それほど遠くないかもしれない!?

 8月24日、広島にマジック20が点灯。これを受けて翌25日には、広島の街のあちこちにマジックナンバーを知らせるパネルが設置された。JR広島駅、広島銀行本店、福屋(百貨店)、広島テレビ前……。街を歩くだけで、パネルが目に入り、優勝マジックは一目瞭然。広島市民は、それだけカープの優勝を今か今かと待ちわびているのだ。

「なぜ「広島カープ」は、“マエケンなし”でも優勝できたのか?」のページです。デイリーニュースオンラインは、スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る