世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第193回 世界の歴史はイギリスから動く (2/3ページ)

週刊実話

日本を含めた西側諸国は、イギリスに倣っていった。
 この福祉国家を最初にぶち壊したのもイギリスだ。

 1979年にサッチャー政権が成立。現代にまで続く、新自由主義的、グローバリズム的な構造改革が始まったのである。現在のグローバリズムの祖は、アメリカではなくイギリスなのだ。
 そのイギリスが、今、EUという世界で最も進んだ「グローバリズム」の仕組みに背を向けようとしている。実に、興味深いとは思わないだろうか。

 厳密には、イギリス国民は移民問題に関する主権を取り戻したいわけで、別に鎖国をしたいわけでも何でもない。ともあれ、今年6月23日のEUからの離脱の是非を問う国民投票では、離脱派が勝利した。イギリスのメイ首相は10月2日にバーミンガムの保守党大会で演説し、'17年3月までにEUからの離脱交渉を始めると語った。メイ首相はEUとの離脱交渉に関し、
 「戦略を練るため、すぐには交渉を始めなかったが、あまり先延ばしにするのもよいとは思わない」
 と述べた。EUのルールでは、離脱表明をした国は、2年以内にEU関連の協定が失効する。メイ首相の演説の通り、'17年3月に離脱表明をするのであれば、イギリスは'19年3月末までにEUからの離脱交渉を終えなければならない。

 また、保守党大会ではメイ首相の後に、離脱担当相のデービス大臣が演説し、EUから離脱することで、
 「国境管理と移民数の削減を実現する」
 と、語った。すなわち、来年3月から始まるEUとの離脱交渉において、イギリスにとって「実効性のある移民制限策」を実現することを最優先に掲げたのだ。
 もし数年前にデービス大臣がこれらの類いのことを語ったならば、途端に「極右の差別主義者!」「レイシスト!」といったレッテル貼りをされてしまったことだろう。'15年のシリア難民の欧州への大量流入以降、世界はまさに様変わりしてしまったのだ。

 デービス大臣は、
 「国民投票結果のメッセージは明白だ。英国は移民に対するコントロールを強めなければならない」
 と演説したが、筆者には至極当然のことに思える。もっとも、この種の発想を「当たり前のこと」としたくはない勢力があり、すでにプロパガンダが始まっている。

「世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第193回 世界の歴史はイギリスから動く」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る