タイム誌の 「2016年ベスト発明品」に選ばれた球体タイヤが自動車社会に与えるものとは?【前編】 (3/6ページ)

FUTURUS

しかしEagle-360はクルマが流れるように横方向に移動し、走行している方向をそのまま維持して車体が障害物を回避することが可能です。 また、都市部の利用可能なスペース(例:駐車スペース)を最大限に活用できます。車両に球形のタイヤを装着することで、より狭い空間でも移動が可能になるからです。駐車場の収容能力が向上し、スペースを最大限に活用することができます。

source:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Brain_coral.jpg

■ タイヤの設計にバイオミミクリー(生物模倣性)を採用

――脳サンゴのパターンを利用してるとのことですが、その仕組みについてお教えください。

グッドイヤーの設計者は、自然界からヒントを得ることがよくあります。ですので、トレッドおよびタイヤの設計にバイオミミクリー(生物模倣性)を採用しました。海の中で、Eagle-360に使用されている特定の脳サンゴの構造は、周辺海域で独自に水流の方向を定め最適な水分を分配します。それによってサンゴに最適な栄養分がいきわたります。

すべての方向に回転し、変化する路面に対応する球形タイヤEagle-360にするため、グッドイヤーのチームはEagle-360にユニークなトレッドデザインを施し360度回転しながらどの方向に回転しても同一性能が発揮できるように設計しました。

また、パターンの滑走面の溝は、天然のスポンジ(バイオミミクリー)と類似しています。スポンジ状の素材は乾燥した状態のとき、路面に接するラバーブロックは硬くなります。その結果ドライな状況でのハンドリング性能が安定し、ドライ制動性能向上に寄与します。路面がウェットな状態では素材が柔らかくなり、ラバーブロックの硬さが変わり、ウェット路面でのタイヤ性能が向上し、ハイドロブレーニング現象発生のリスクを低減します。

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