世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第205回 『対外直接投資と逆輸入』という問題 (3/3ページ)

週刊実話

大統領就任後に高関税を掛けると公言したことを受けた計画変更と思われる。
 フォード社からしてみれば、メキシコに工場を建設し、アメリカに自動車を逆輸入することは「そちらの方が利益は増える。安い製品を流通させれば、アメリカの消費者も喜ぶ」という話なのだろうが、「国民経済」という視点から見ると、アメリカの生産者がダメージを受けてしまう。そして、国民経済において「生産者」は「消費者」でもあるのだ。

 思えば、労働者の賃金を引き上げ、購買力を高めることで大量生産した製品を購入させ、企業の売上拡大や国民経済の成長を追求する「フォーディズム」の始まりは、当たり前だがヘンリー・フォードである。そのヘンリー・フォードが創業したフォード社が、事情はどうあれ「対外直接投資&逆輸入」を取りやめた。時代を象徴しているとは思えないだろうか。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

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