「石の上にも三年」は本当か 元マイクロソフト役員の回答 (3/4ページ)
――少し話題は変わりますが、真の働き方改革を進めていくためには、そうした組織からのアプローチのほかに、働く個人の視点からのアプローチも重要になってくるかと思います。本書では、そのひとつの策として、メンター制度の重要性を説かれていますね。
越川:はい。少し補足をさせていただくと、本書のなかに出てくる「メンター制度」とは「メンタリング」を指します。これは、自らの成長や成果を望む「メンティ」が、豊富な経験や人脈、知識、スキルなどをもつ「メンター」から、継続して助言を受ける行動を意味しています。
では、なぜこのメンター制度が重要なのか。ここでも、昨今のビジネスシーンにおける変化の激しさが影響しています。
つまり、以前は「石の上にも三年」という言葉を信じて我慢していれば報われることもありましたが、今はそうではありません。状況の変化に対応できなければ、報われるどころか、さらに事態を悪化させるリスクすらある。
であれば、刻々と変化する状況に対応するためにも、「我慢する」から「感情やストレス、それによるリスクをコントロールしていく」という考え方にスイッチしていったほうがいい。
その意味で、メンティが普段から抱えている感情をいったん吐き出し、今後向かうべきことについて建設的な話ができるメンター制度はとても有効なのです。
――ちなみに自分に合ったメンターの探し方で気をつけるべきポイントは何ですか。越川:まずは「自分もああいう人になりたい」と思える人を探すこと。それともうひとつ、自分とはまったく異なる属性の人にメンターになってもらうことも重要です。
先ほど組織がイノベーションを進めていくうえで、「振り返ること」が大切という話をしました。これは個人に当てはまるもので、効果的な振り返りをするためにも、本人(メンティ)の置かれている立場・状況をできるだけ俯瞰的に見られる人になってもらう必要があります。
したがって、自分とはまったく異なる業界で働いている人にメンターになってもらい、自分とは異なる見方・考え方から新たな刺激をもらうことをおすすめします。
このような条件を踏まえつつ、社内外で広くメンターを探してみるといいでしょう。