東京・府中市も戦々恐々 東芝経営危機のシワ寄せが襲う下請けの悲鳴 (2/2ページ)

週刊実話


 「仕事が激減し、休日出勤などの手当てもカット。昨年冬のボーナスは1カ月分カット。社員によっては年収が200万円近く激減した人もいます」(東芝関連社員)
 それでも正社員はまだいい。東芝最大級の工場を持つ、東芝府中事業所(東京都府中市)などは、約1万人の従業員中、今や7割が下請け従業員。その大半は平均年収が400〜500万円で、そこからさらに賃金カットされる従業員が続出する恐れもある。

 不正会計を契機に、19万人いたグループ社員は全体で1万5000人がリストラされ、このうち早期退職社優遇制度では約3400人が応募したという。民間の信用調査会社の調べでは取引企業も激減し、不正会計前の約2万2000社から1万3600社となった。
 「このうち下請けは7000社前後で、2割から3割は減っている。すでに数十年の取引があった企業でも紙切れ1枚で切られ、従業員が路頭に迷う例も少なくない。これでもし、虎の子の半導体がガタガタになったらどうなるか。新会社の売却先に、売却条件として雇用継続を入れるというが、新経営者の方針次第でバッサリということもあるだろう」(同)

 前出の東芝府中事業所内には飲食店も入り、さながらミニタウン。市の経済にも大きく貢献している。さらに事業所内には、ラグビーの東芝ブレイブルーパスの本拠地がある。
 「府中市の高野律雄市長は、東芝の市からの撤退はあるのか、今後の動向の具合はどうなのか、ラグビーチームは何とかして欲しいと、直接説明を求める意向を示している。市ではすでに、2年後のW杯、3年後の東京五輪に向け、“ラグビーの街”として売り込むためのプロジェクトが動き始めているため、気が気ではありません」(府中市関係者)

 国内産業全体で見れば、榊原定征経団連会長も記者会見で「半導体の技術や人が国外流出しては問題。国の安全、国益等を考えると国、産業界としての対応が必要」としており、原発関係者もこう言う。
 「原発の是非はともかく、世界でもトップクラスの原発企業だった東芝の経営危機は、技術者も含めて関係者への影響があまりに大きい。原発企業がなくなれば原子力を学ぶ学生も減り、日本の科学技術にもマイナスです」

 安倍政権は現在のところ、「東芝の救済は考えていない」(政府関係者)と突き放す。果たして、波紋はどこまで広がるのか。
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