83歳筆者、体験から考える「国家」..."この厄介な代物"を思う (4/7ページ)
日本人である以上、どうしても、米、大麦、小麦が主流となる。
それはさて置き、ドキュメンタリーの中で紹介されていた農民のトウモロコシ栽培法は、トウモロコシと共に必ず豆を一緒に植え、その豆を利用して、空気中の窒素を固定することによって、そのトウモロコシの養分として供給する、という昔からの、全く農薬を使用しない方法を守り続けていて、その結果、一石二鳥、あるいは一石三鳥とも言える、満足すべき収穫を得ている、という。
興味深かったのは、スペインによって侵略されるまで、メキシコには豚も牛も存在しなかった、という話で、現在でも、祭りの時だけしか作らないような、手の込んだソースは、野菜と、各種の唐辛子だけを配合し、時間を掛けて煮詰めてようやく完成するそうで、今では肉塊やトルティーヤや野菜などの他の食品を、このソースに付けて食べる、というご馳走があるらしい。
では、豚や牛のような食肉が存在しなかった時代、タンパク源は何処から得ていたのか?と言えば、それは小魚もあったが、主としてその供給源は昆虫であった、という。
「エッ、まさか...?」と、顔を顰めたあなた、別に、そんなに驚くほどのことじゃありませんよ。映像の中では、イナゴの例が示されていたが、イナゴなどは筆者の子ども時代(東京)には、佃煮のようにして、食べるのは日本中で、特に珍しいことでも、何でも無かった。地方によっては、今でも蜂の子などを珍重する所がある筈だ。
これからの時代で、大問題となるであろう地球人口の増加による食糧危機の解決手段の一つ、と考えられているのが、この「昆虫のタンパク源としての利用」であることを聞き及んで居られる方も居るかも知れない。
この映像を視聴していて、更に筆者の頭に浮かんだのは、次のような想像シーンである。
それは、どこやらの花札大統領が「国境に壁を築く」と息巻いているのに対し、透徹した考えを有するメキシコの賢人が居れば、彼は、むしろ次のように反応して、微笑みを漏らすのではあるまいか。
「よくぞ、申して下さった。