83歳筆者、体験から考える「国家」..."この厄介な代物"を思う (6/7ページ)

Jタウンネット

この矛盾を巧みに利用して、「難民問題」を「移民問題」とすり替えて、自国に関する利害のみに着目し、これによって、多くの自国民を味方に付けようと謀る、ポピュリスト政治家や、過激思想を唱える政治家が現出する流れとなっているのであろうが、そのポピュリズムが国家の行く道を大きく誤らせる原因となる危険性が高いのでは...?

大いに危惧される所以である。

或る意味で、国家は「諸刃の剣」と言えよう。次のようなことを記憶されている方も少なく無いであろう。

それは、今回の、米国大統領選挙戦の最中に、一部の著名映画俳優や歌手、その他アーティストなども居たかも知れないが、彼らは「もし、トランプ大統領が実現するようなら、この国を去る。」と明言し、具体的に移動先としてカナダなどの国名を挙げていた人達も居た、と記憶するが、これについて、選挙結果が出た後、言葉通り、実際に「出国」した、という話を聞いた覚えは無い。

考えてみれば、古くから歴史上、度々登場するような国々に比べて、比較にならぬほど浅い歴史しか持ち合わせていない国、とは言っても、今、暮らしているアメリカ市民たちにしてみれば、矢張り、自分の先祖が何代か暮らし続けた母国である以上、そう軽々と出て行くことも出来ないというのは無理からぬ話、とも思える。

また、筆者の居住地に隣接するK市JR駅前に中華料理店、洋食店、ビジネスホテルなどを手広く経営するオーナーで、日本に帰化した、台湾系中国人Sさんから直接聞いた話であるが、日本国籍を有する者としてパスポートを取得したとき、それを開いた第1頁に、日本国外務大臣名で「日本国民である本旅券の所持人を、通路故障無く旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。」と明記されているのを確認して、本当に嬉しく、心から安堵した、という。

「国家」は、このような役割を果たすものだから、無ければ、そこに住んでいる人たちは、困るに違いない。

かと言って、「他国民は何が何でも入れない、同じ権利や利益は与えない。」一点張りでは、また、スムーズに行くわけが無い。

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