今シーズンはワクチン不足! インフルエンザの脅威と対処法 (2/3ページ)
拘束型は、心筋が硬くなって収縮がうまくいかず、血液を送り出しにくくなるのです」(同)
これらの状態に陥った場合、いずれも発熱、咳、頭痛、倦怠感、喉の痛みといった風邪症状に加え、動悸、息切れ、全身のむくみなどの症状が出るという。
「それまで心臓のトラブルがない人でも、急に心不全や心房細動を起こし、最悪の場合は死亡に至るケースもあります。ただの風邪だと軽く考えていると、実は心筋症で、そのまま放置していたために心不全を起こし、心筋の細胞の破壊が進んで亡くなったという患者もいるのです」(内科医)
そんな油断できないインフルを予防するには、ワクチン接種が最も効果的と言われている。
「予防接種をした後、その効果が表れるのは2週間前後。そのため、年内に接種しておくことが望ましい。そもそもワクチンの効果は、打った人の罹患リスクを下げるだけではありません。例としては、83%のワクチン接種率を達成した集団では、接種していない人も罹りにくくなるというデータもあるのです」
しかし、そのワクチンが、今年は接種を希望しても効果的な時期に打てない可能性が指摘されている。
都内総合内科医院の青木信彦院長は、こう説明する。
「厚労省の試算では、今年のワクチンの製造量は2528万本。これは昨シーズンよりも256万本少なく、医療機関での昨年の使用量より114万本も少ないのです。理由は、ワクチンの製造に使用する株の選定の遅れによるものです」
ワクチンのもととなるウイルス(ワクチン株)は、例年5月頃に決定する。WHO発表の推奨株に加え、国内外の流行分析を参考に国立感染症研究所などが決める。ところが今年は、その選定が遅れ、しかもワクチンに含まれる4つの株のうち新たに入れ替えた株の1つが増産しづらいことが判明。7月半ばに急きょ、昨年と同じ株に改めたという。
こうした事態に政府は「不足分は昨年使用量の4%程度」とし、医療機関に13歳以上の“1回接種”を徹底させるほか、返品を前提とした注文をさせないように指示。ワクチンの効率使用を目指すという。
「ワクチンの接種は任意だけに、そもそも2回接種の希望を医療機関が拒むことは難しい。