安美錦VS豪風「大ベテランがっぷり四つ対談」 (2/6ページ)
安美錦は昨年のケガから見事に復帰。一方、171センチと幕内で最も小柄な豪風は、年齢を感じさせない素早い動きで、若手を翻弄している。1学年違いのこの2人、実は東北で過ごした高校時代から接点があったという。
豪 自分、高1のとき、安美関と対戦しているんです。
安 ウソだろ? 全然、覚えてないよ。
豪 東北新人大会の団体戦で対戦して、自分が負けたんですが、東北、特に青森県は相撲のレベルがメチャクチャ高いんですよ。そして次の年、国体を前にした青森県と秋田県の選手の合同合宿でも、一緒でした。社会人、大学生、高校生が集まって、稽古をしてチャンコを食べるんですが、一番格下の高校生は雑用が多くて、お昼のチャンコを食べた後はクタクタで昼寝をしないと体が持たないわけです。ところが、その貴重な昼寝の時間、安美関は本を読んでいた。
安 エッ? ヤバい本とかじゃないよね(笑)?
豪 「杉野森さん(安美錦の本名)、何読んでるんですか?」って聞いたら、自分は読んだことのないような小説だった。それ以来、安美関のことをずっと観察してるんですよ。だから、高卒で大相撲に入門すると聞いたときは、ちょっとビックリしたんです。
安 高3の頃は、体重が100キロちょっとで、ヒョロヒョロ(身長183センチ)だったからね。でも、高校生の頃から兄貴(元幕内・安壮富士)も入門していた安治川部屋(当時)で力士と一緒に稽古していたから、プロになることに抵抗がなかったのかもしれない。
豪 自分は当時、大相撲に行く気はなかったんです。身長が低かったし、実績もない。だから安美関みたいな細身の人が、あんなキツい世界に飛び込むなんて考えられないと思いました。でも当時から、右を取ったらデカい選手も引きずり回す力がありましたよね。
■入門後は順調に出世するが…
平成9年初場所、鰺ヶ沢高を経て初土俵を踏んだ安美錦は、天性の“相撲のうまさ”もあって順調に出世。3年後の12年初場所、新十両に昇進する。一方、高校卒業後、中央大学に進んだ豪風は相撲部で活躍し、4年生のとき、学生横綱に輝いた。相撲に対する自信と、付け出し資格を得た豪風は、大相撲への入門を決意。