安美錦VS豪風「大ベテランがっぷり四つ対談」 (5/6ページ)

日刊大衆



豪 その2人もいいですけど、夏場所、ウチの部屋に入門して、九州場所で新入幕を決めた矢後(23)。大学の後輩でもあるんですが、マジメという言葉しか見当たらないくらいマジメなヤツなんです。相撲に対する、その部分は、後輩と言えども見習わなければならないと思っていますし、彼の存在がすごく刺激になっています。とはいえ、自分は秋場所、初日から5連敗して最後まで波に乗れないまま、アッという間に場所が終わってしまった。こんな感覚は初でした。

安 年だね(笑)!

豪 う~ん(笑)。振り返ると、8月の夏巡業から稽古のペースを上げ過ぎて、「オーバー稽古症候群」になっていた部分もあった。「ベテランは休むのも稽古だ」と師匠に言われているんだけど、自分は休む勇気のない力士なんですよ。自信がないから、つい、やり過ぎてしまうんですよ。やるとき、休むときのバランスが大切でしょうね。

安 俺は師匠に「休め」と言われたことはないけど、無理をしないことも大切なんだろうね。九州場所で、幕内に復帰。でも、俺の目標は「再入幕」というわけじゃない。いつでも三役を目指しているし、横綱と対戦できる地位にいたいと思っているんだ。東北人特有の“負けじ魂”なのかな?

豪 “東北魂”だと思います。自分も「対戦相手にも自分にも負けたくない」と思って、ここまで来ましたからね。今の目標は、もう一度、三賞を取ること。そして、「勝ち越して辞めたい」ということです。これまでの自分への褒美として、勝って引退したいんです。

安 ふ~ん、じゃあ、九州場所で勝ち越して辞めてもいいよ。俺が許す(笑)。

豪 それはあんまりじゃないですか、安美関~(笑)。

取材・文/武田葉月(ノンフィクションライター)

安美錦竜児(あみにしき・りゅうじ) 本名=杉野森竜児
昭和53年10月3日、青森県西津軽郡深浦町出身。小1で相撲クラブに入り、中高と相撲部で活躍。卒業後、安治川部屋(現・伊勢ヶ濱部屋)に入門。平成12年1月、新十両へ昇進し、同年7月場所で初入幕。同場所で初の敢闘賞。14年3月場所で初の技能賞、15年1月場所で横綱・貴乃花を初挑戦で破り、自身初となる金星を獲得。最高位は関脇。

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