スイス・チューリヒ湖畔の美しきバラの町、中世が息づくラッパーズヴィル (1/3ページ)
スイス最大の都市・チューリヒは、スイスの空の玄関口として訪れる人が多い町。その近郊には、チューリヒからの日帰り旅行にぴったりな、中世の面影を残す町がいくつかあります。
そのひとつがラッパーズヴィル(ラッパーズヴィル・ヨナ)。
チューリヒからSバーンで35~40分。チューリヒ湖の南東に位置する、水と緑に恵まれた美しい町です。ローマ時代から、交易路と巡礼路が交わる交通の要衝として発展してきました。
「バラの町」としても知られ、町にある3つのバラ園では600種類、1万5千株ものバラが栽培されており、毎年5月から9月には色とりどりの花が咲き乱れます。
この時期にラッパーズヴィルを訪れるなら、色も香りも多彩なバラの魅力を再発見するチャンスです。
ラッパーズヴィルのシンボルが、1229年に町を見下ろす高台に建てられたラッパーズヴィル城。
伝説によると、湖の対岸のアンテンドルフの公爵が狩猟のためにこの地を訪れた際、小鹿を連れた雌鹿の命を救うために公爵夫人が狩りをやめさせるという出来事がありました。その後、難を逃れた雌鹿が夫人のもとに頭を下げに来たことから、神のお告げとしてここに城が築かれることになったといいます。
城のそばにある公園には、本物の鹿が放し飼いされています。日本の神社でも神の使いとして鹿が放し飼いされていることがありますが、それと似た光景をスイスで見るなんて、なんだか不思議ですね。