なぜ鮨職人の道へ? 西麻布の高級鮨店「きたむら」板長兼オーナーの北村淳さんにインタビュー! (3/5ページ)
――目標一直線で、とんとん拍子にいっている感じがしますね。
実は何店舗か修業させてもらっている中で、修業がつらくて一度辞めたこともあります。地元に帰ろうかとも悩みました。引っ越しやポスティングのアルバイトをして過ごしていたのですが、そういう仕事は別に自分じゃなくてもできる仕事なんですよね。自分が特別な人間になるためには自分しかできないものを磨いていくしかないと再確認しました。

――率直にお鮨屋さんは楽しいですか?
鮨って素材はすごくシンプルで、ネタ・シャリ・ワサビと醤油で出来上がります。しかし、シンプルな中でも組み合わせはいくらでもできるし、だからこそ楽しいですね。
鮨屋といっても料理だけでなく、人と人との関わりということが大事だと感じます。お客さんが来て、その人の感情やエネルギーで店の空間が変わっていくのがおもしろいですね。そこが飲食店の醍醐味かもしれないです。
――魚市場など業者との関わり方も特殊ですか?
お金を払えばいいものが買えるという単純なものではないですね。コミュニケーションがとても大事です。僕はお米屋さんなど、仕入れている業者さんを一度店にお呼びして、自分たちがどんなものを出したいかを見てもらいようにしています。業者さんたちが自信を持っている食材を、いかに僕らがいい状態で提供できるのかという部分で安心してもらいたいんです。
――お話を聞いていると人との出会いや繋がりの大切さを感じます。人から学ぶことがすごく多そうです。
そうですね。お客さんが僕にとって師匠だと思っています。例えば「東京カレンダー」を創刊した安武不可止さんに出会ったことはすごく大きなことでした。独立したときに、紙面や広告で扱ってくれたことで反響をたくさん頂きました。